***このブログは僕自身が今回のワークを通して接したクラブに対して感じたことであり、すべてのクラブに対して共通で言える事実ではないので、ご容赦ください***
こんにちは、ソーサル中島です。
『Jクラブ』は優勝しなくてはならないのか?
先日公開したこちらの記事が非常にたくさんの方に読んでもらい、嬉しい限りです。
もしJリーグに興味ある方は以下の記事も合わせてお読みいただけると嬉しいです。
新卒が『Jクラブ』に入社してはいけない理由。3ヶ月間SHCの研修コースに通って分かった、『Jリーグ』の今今回の記事も、
僕が9月〜1月までSHC(Sports Human Capital;Jリーグ発祥の経営人材育成組織)のスポーツビジネス経営人材育成に特化した研修コースに通って、Jリーグの実態についてかなりディープなところまで学んできたので、
これからJリーグに携わろうとしている人に向けて、Jリーグを応援している人に向けて現在のJリーグの内部がどうなっているのかを発信できたらと思います。
今回は
『Jクラブ』は優勝しなくてはならないのか?というテーマで少し記事を描いてみたいと思います。
Jクラブは優勝しなくてはならないのか?
『Jクラブ』は優勝しなくてはならないのか?
この記事は多くのJサポーターのみなさんが読んでくださると思うのですが、
あえて僕なりの意見を述べたいと思います。
結論からいうと、僕は「『Jクラブ』は必ずしも優勝しなくてはならない訳ではない」と思っています。ただし、優勝するために努力しなければならないと思っています。
以下理由を3点に分けて述べていきます。
①Jクラブは”関係者全員”を幸せにしてほしい②Jクラブの財務状況がクラブの勝てる確率を大きく左右する③優勝だけは全てではないはず〜①Jクラブは”関係者全員”を幸せにしてほしい〜Jリーグは必ずしも優勝する必要はない
『Jクラブ』は優勝しなくてはならないのか?
まず、これが非常に大きな課題です。
Jクラブの財政状況は以前の記事にて記述した通り、
例えば
とあるJクラブでは新卒の年収が手取りで200万程度、ボーナスなしであったりします。
そんな体制下で、
優勝するために社員の人件費を削って、チームの人件費(=強化費)にチームのキャパを超えた強化費を割り当てる。そういう意思決定をする経営者が現状少なからず存在するのが現状の事実です。この点すごく秀逸なビジョンを設定されているのが、
Bリーグの千葉ジェッツで、千葉ジェッツのHPによると、
「千葉ジェッツふなばしを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる」としています。
これはつまり、
社員も含めた全ての関係者が幸せになるべきであるというクラブのメッセージであり、
非常に秀逸だと思いますし、何より素敵ですね。経営者・島田さんの覚悟を感じます。
〜②Jクラブの財務状況がクラブの勝てる確率を大きく左右する〜Jリーグは必ずしも優勝する必要はない
『Jクラブ』は優勝しなくてはならないのか?
次に見逃せない観点として、
チームのビジネス事情があります。
例えば、浦和レッズを例にとって見てみましょう。
浦和レッズの公式HPに公開されている財務情報によると、
「選手・監督・コーチ報酬」(=強化費)で約23億円とあります。
つまり、ちょっと荒い考え方をすると
選手の報酬には23億円が当たられているわけです。
『Jクラブ』は優勝しなくてはならないのか?
しかし、Jリーグの公開している2016年度の経営情報を参照すると、
クラブ全体の売上高で浦和レッズの強化費以下のJ1クラブも存在しています。
一般的に
健全な経営をするために適正な強化費は売上の50%とされているので、
以下くらいになります。
▶︎仙台 22億8500万円(ざっくり想定強化費▶︎11億円)▶︎福岡 18億3600万円(ざっくり想定強化費▶︎9億円)▶︎湘南 16億2700万円(ざっくり想定強化費▶︎8億円)▶︎甲府 15億2300万円(ざっくり想定強化費▶︎7.5億円)つまり、
同じJ1というカテゴリーでさえ、
強化費2倍以上のクラブが存在し、強化費の金額はチームの戦力と相関があるといわれているので、
必然的にチームの強さ(=優勝する確率とも)に直結しがちです。
このようにそもそも土俵が違うという前提に立ったときに、
いまチームとしてどの程度投資するべきなのかというのは非常に重要な観点に思えます。
〜③優勝だけは全てではないはず〜Jリーグは必ずしも優勝する必要はない
『Jクラブ』は優勝しなくてはならないのか?
僕が今回のワークを通して強く感じたのは、本当に優勝だけが全てか?ということです。
確かにクラブのフィロソフィーとして、
”勝利”を絶対条件として置いているクラブはそれ自体がクラブカラーであり、ブランディングであるため、それも1つの手段としてはありだと思います。
しかし、
チームとしての存在意義が「関係者全員を幸せにすること」であるならば、サポーターやサッカーファンが喜ぶために、自分のチームとして無理してまで強化費をはる(=実際そういう経営者の方もいました)ことにどこまで意義があるのかという風にも思ってしまいます。
『Jクラブ』は優勝しなくてはならないのか?
以前僕らの運営している
ソーサル と岡田さん率いるFC今治がコラボした時に思ったのは、FC今治という町のクラブがそこに存在すること自体が意義であり、そこに住む人の生きがいになっているという確かな感触でした。
だからこそ、
クラブとして達成しないといけない本当のことはなんなんか。(=優勝なのか?)というのは一度立ち止まって考える必要があるなというのを強く実感しました。
ぜひご意見などあればください!
Twitterアカウント;nakaryo716
新卒が『Jクラブ』に入社してはいけない理由。
ソーサル中島